まつむし音楽堂通信

 2014年 残暑号

 

●残暑お見舞い申し上げます。この夏は猛暑に加え、台風や局地的な豪雨が日本列島を襲いました。年ごとに気象は烈しくなっているようです。人間も自然の一部ですから、最期は自然にまかせるしかないとしても、それまでは自然界とうまくやりたいものですね。

●お盆休みに、むかし録音したテープの数々を整理、再生することができました。30年ほど前に多用した小型のオープンデッキ(独UHER社製)が修理からもどってきたからです。このデッキ(テープレコーダー)は、2トラックで最高19㎝/秒の速度でテープが走行する本格的なもので、当時は放送局でも使われていました。とはいっても、いわゆる絶滅種、修理もままならぬまま時を過ごしてきたのです。

●ところが、当時の輸入元三洋電機貿易におられたエンジニア、三井善弘さんが個人的に修理を引き受けてくださいました。もうかなりの高齢と察せられますが、本当に「よくやってくださった」。うれしい限りです。ありがとうございました。

●本格的なデジタル時代、マルチメディア社会となり、携帯端末ひとつで通信、データ収集、録音、録画などができるようになりました。わたしは80年代初頭に、初めてローマ字入力(逐語変換)を可能にした沖電気のPCを購入したPC世代のハシリですが、実は、IフォンもIパッドも持っていないのです。

●車のナビゲータも、使うことはほとんどありません。それは、脳や五感のはたらきに優先して答えが出てくる仮想的な空間に慣れてしまうのを、怖れているからです。仮に、コンピュータネットワークが崩壊しても慌てないようにしたい、という気持が心のどこかでに潜んでいるのかもしれません。

●ところで、ピアノを弾く環境が変化しているからでしょうか、いまや家庭では電子ピアノ(デジタル)が主流です。しかし電子ピアノは、いくら進化しても、アコースティックピアノ(アナログ)のような地位を確立することはないでしょう。電気で鳴らすエレキギターやハモンドオルガン(B-3)が楽器としての地位を確立することができたのは、アナログ的なメカニズムを残していたからにちがいないと思われます。

●楽器も音声も、「生」(アナログ)の音に勝るものはありません。大いに声を出して、アナログ楽器を演奏しましょう。これが五感を鍛え、危機管理能力を高める一助となるのです。健康のためにも、声を出して歌い、そして楽器を手にしてください。もちろん正しい指導を受けることが必要です。お気軽にご相談ください。

 

(和田高幸)

←「まつむし通信Topへ」

↑PageTop

▲Top