まつむし音楽堂通信

 2016年 残暑号

 

●ジカ熱の発生やテロの不安、競技施設工事の遅延、ドーピングに絡むロシアの参加不参加‥、はどこ吹く風。五輪が開催されるや日本はメダル報道に沸いています。地球儀を見るとブラジルは日本とは正反対の位置、距離はかなりありますが日系人が多く交流も盛んです。2020年の開催国としては、参考になることも多いのでしょう。視察問題に揺れた東京都の立場もよくわかりました。

●東京オリンピックと聞けば、わたしの場合、まず1964年大会を想起してしまいます。東海道新幹線、首都高速道路といったインフラもさることながら、丹下健三設計の競技場、亀倉雄策デザインの五輪シンボルマークやポスターなど、思い出したらきりがありません。4年後に迫った2020年の東京オリンピックを節目として、日本はどう変わるのでしょうね。

●東京オリンピックには間に合いませんが、目玉となるインフラ整備といえば、リニア新幹線(2027年東京-名古屋間開通予定)でしょうか。東海道新幹線は東京一極集中を加速しましたが、リニア新幹線は、これとは逆に地方への分散を加速するのではないでしょうか。利便性の高いアーバンライフと、広々とした田舎でのスローライフが並列的に実現するというわけです。

●国威発揚の格好の場であるオリンピックですが、メダル獲得数では中国勢の凋落が気になります。リオ・オリンピックの期間、尖閣諸島海域に多数の中国艦船や漁船が侵入しましたが、これも一種の国威発揚でしょうか。

●勝負だけが明暗を分けるスポーツの世界ですが、日本選手の活躍ぶりを見ていると、勝負はもちろんとしても、それだけに囚われない武道精神が基底に流れているような気がします。この精神が、外国人が日本人を注目する根拠となっているのかもしれません。

(和田高幸)

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