まつむし音楽堂通信

 2017年 節分号

 

●昨年末は糸魚川、1月には和歌山の石油プラントが炎上するなど、新春を襲った大寒波もさることながら自然界の猛威を実感する年明けとなりました。メキシコ国境の壁、TPP離脱・・と次々と公約を実行に移すトランプ米大統領の発言に右往左往する世界の情勢は、それぞれの国家に自立を促す効果もあるのでしょうか。それとも国家間の亀裂を深めるだけなのでしょうか-。

●2001年の「9・11」を境にして、世界はすっかり変わってしまったように思います。キリスト教(地域によりユダヤ教)圏とイスラム教圏に二分される世界は、各地でテロを誘発し、防衛策として各種の監視・情報機器の導入が進行しました。分裂する世界の裏側では、利害を共有するグループが、インターネットを通じてさまざまな声を配信しています。

●なにが真実(TRUE)で、なにが真実でない(FALSE)のでしょうか。今日のようなデジタル社会ではなおさらですが、仮想現実(VR)であれ空想科学(SF)であれ、目に見えるものはすべて現実(事実)として脳が受け入れているような気がします。デジタルは加工が容易で捏造も可能です。したがって、意識的に脳をコントロールして対応しなければ判断を誤るかもしれない。このような時代に、わたしたちはいるのです。

●インフレ期待も尻すぼみ、デフレ圧力により賃金は低いまま高齢化が進み、技術の伝承、事業の承継もままならず廃業に至る、そんな企業は少なくありません。税収の落込みなどにより戦後の老朽化するインフラ改修が進まない、廃棄物の回収が遅滞する、事故や病気、多発する災害に緊急の救援活動が間に合わない・・・。

●いや近未来を悲観してはいけません。わたしたちは世界最古の独立国、神風の吹く日本に生きているのですから。国を構成するのは領土。世界を見わたしても、テロや戦争が領土問題に起因することは明白です。北方領土、沖縄、南西諸島、尖閣、対馬、竹島・・とわが国も領土問題の例外ではありません。 わたしたちは長い歴史をもつ祖先たちのこと、各国の歴史や国民性、などについて教え学び、伝えていく務めがあると思うのですが-。

(和田高幸)

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