まつむし音楽堂通信

 2017年 GW号

 

●ことしも「ゴールデンウイーク」がやってきました。行楽のシーズンです。かつては休日が少なく、国民の休日となる祝祭日を心待ちにしていた時代を思い出します。「週休5日制」で土日がまるまる休みになるなど、当時のわたしには想像できませんでした。

●戦後の日本人は「勤勉」でよく働いたと思いますが、いまもそれは変わりません。「過労死」のニュースを見ればわかります。まじめに働いて「世界第二位の経済大国」が実現、「エコノミックアニマル」と揶揄されたのは、いわゆる高度経済成長期です。

●加工貿易で外貨を稼いだものの、国際化の波により1ドル360円の固定相場を押し上げようとする圧力が沸騰、変動相場へと移行するのですが、現在の為替相場からすると3倍以上の円安。そこで「働くよりも消費しろ、円を使え」ということで「バブル経済」が発生したのかもしれません。

●「はたらく」ことは「労働」です。「労働」は「賃金」という尺度で換算されますね。「お金がなければ何もできない」から「はたらいて」「お金を稼ぐ」のはあたりまえというわけです。しかし日本の伝統的なパラダイムでは、「はたらく」ことは暮らしそのもの、つまり「からだを動かす」ことですから「お金」が介在しないこともあります。

●ニュースでは必ず報道される「円相場」や「株式相場」だけが経済の指標ではありませんし、もちろん精神的な豊かさとリンクするものでもないでしょう。このゴールデンウイーク、わたしは庭や外溝の草取りをします。もちろん「タダ働き」で、報酬や賃金と懸離れた「労働」ですが、ちょっと「気持がいい」からやるだけのことです。

(和田高幸)

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