まつむし音楽堂通信

 2017年 歳末号

 

●再来年(2019年)、平成天皇の譲位で御代(みよ)替わりとなり元号も変ります。平安時代が「平安」とは裏腹の、魑魅魍魎が跋扈する「不安」の時代であったように、「平成」時代もけっして「穏やか」とはいえませんが、次の時代はもっとひどいかもしれません。来年(2018年)には、その前兆が見えることでしょう。

●平成ではすでに阪神、東北と大震災も経験しました。尖閣、竹島、北方領土・・と周辺のアジア諸国とは領土問題をかかえています。日米地位協定に守られた多数の米軍基地は内なる外国ともいえるでしょう。地方の過疎化につけ込む外国人の土地買いあさりもあります。問題だらけですが、どれひとつとして解決の見込みはありません。

●いっぽうで国民の少子高齢化は容赦なく進んでいます。結婚して出産したら子育てに専念するという社会通念がなくなったから、結果として子どもが減ったのでしょう。子どもをあてにした市場は衰退しています。だからといって、高齢者をあてにしても、消費のスケールが拡大するとは思えません。

●しかし、どんな時代にあっても、人々は自由でありたいと願うのが常でしょう。好きなものを食べ、健康でいたい。経済がわるくなると犯罪が増えるといわれていますが、人からは迷惑をかけられたくないと思うでしょう。もちろん迷惑をかけてもいけませんが。つまり、「自由」とは心の、また行動の問題であって「お金」に縛られることばかりではないのです。

●「お金」を貯めるのはたいへんですが、「心」はコントロールすることができます。「心」が自由になり、「お金」も自由になればいいのですが、コントロールできる範囲は人によって異なります。ただ努力しだいで、その範囲が拡大するといえるかもしれません。

●感覚器官を最大限に使って大脳を鍛えれば、「心」はしだいに自由になるようです。老化を抑えることもできるでしょうし、その結果、医療費も最低限で済みます。「心」のコントロール術を身につけるには、武道もいいでしょうし、ヨガや瞑想もいいと思います。わたしは、正しく「聲」を使うことをおすすめします。

●たとえば人と雑談すれば安上がりです。「朗読」や「歌うこと」もいいでしょう。歌にはさまざまな音の要素が含まれていますから、感覚器官をはじめ、皮膚や内臓が共振(震動)します。「震え」は、いわばマッサージのようなものです。歳末にはベートーヴェンの「第九」が定番ですが、「音」でからだの手入れをしてみてはいかがでしょう-。

(和田高幸)

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