まつむし音楽堂通信

 2018年 おひがん号

 

●大寒波の襲来で、とくに裏日本、北日本の積雪は半端ではなかったようです。「お水取りが済むまでは」「暑さ寒さも彼岸まで」、と時間が経てば温暖な季節が巡ってくるのがわかっていても、寒いのは苦手、という人が多いのではないでしょうか。

●懐(ふところ)の寒さが堪(こた)える人もいます。厚労省が発表した速報値によれば、2017年の実質賃金は前年比マイナス0.2%。2012年比ではマイナス4.1%となります。つまりバブル崩壊後どころか、近年では一段と暮らしがきびしくなっているのがわかります。

●ベテラン社員が高齢化して職場を去り、ハイテク技術が継承されないまま衰退する企業も少なくないようです。「円安」時代であればともかく、安い労働者ばかり求めていては、高い賃金と短い労働時間、高い水準の労働条件を前提とした国際競争に勝つことはできません。

●先月のこと。北欧のコペンハーゲンでは、表示された物価(すべて税込)が日本より高めの印象でしたが、男女とも街で働く人たちは前向きで、一様に自信と誇りが感じられました。きっと、賃金が高いのでしょうね。

●では、これからの日本はどうすればよいのか。わたしは京都商法にヒントがあるように思います。京都では、商品の品質を落としてまで値段を下げることはしません。在庫が無くなったらそれでおしまい、つくるまで待て、とどこまでも売り手市場。大学が多く、世界的なハイテク企業も少なくありませんが、どこも京都を離れようとしないのはなぜでしょう-。

(和田高幸)

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