まつむし音楽堂通信

 2018年 初夏号

 

●人類は、「農業革命」から「産業革命」をへて現代は「コンピュータ革命」の真っ只中にいます。コンピュータは生産システムから輸送や流通、コミュニケーションに至るまで世界をすっかり変えてしまいました。今やコンピュータのない世界はかんがえられません。

●さて、コンピュータの利点は、計算の速さと使いよさにあります。つまり便利だということですね。ですから、従来にない速さで、時代が進んでいくのです。もちろんコミュニケーションも加速します。思考する速度も変わるでしょうが、自動翻訳が進めば言葉の壁もなくなるでしょうね。

●データの検索など定型業務はコンピュータが得意とする能力の一つですが、これが進化して今やAI(人工知能)の時代となりました。コンピュータ自身が目的とする業務にたいして最適なプログラムを創造するのがあたりまえになるでしょう。すでに動物に代わる愛玩ロボットや介護ロボットが登場しています。

●無人のロボット兵器が優勢になれば、戦争で血を流すこともなくなるでしょう。しかし、戦果を左右するのは、これを使いこなす優秀な「頭脳」であるのは明らかです。「シミュレーション」能力は、未来を予知、創造する能力と同種か、その延長線上にあるもので「コンピュータ革命」の核心といえるかもしれません。

●創造性に富む最先端の組織や集団は、すでに20年先の未来技術を獲得しているはずです。いずれ現実となる「未来」に適応するために必要な能力は、まちがいなく「創造性」といえるでしょう。つまり「知識」と「感覚」が融合した「知性」です。「知性」と「知性」が接触、その相互作用によって「創造性」が生まれるのです。

●「矛盾」とか「不条理」、「愛」といった概念も、きっと「創造性」の産物にちがいありません。AIが最も苦手とする概念です。したがって「コンピュータ革命」がさらに進んで時代が大変化しても、「文学」や「音楽」はけっしてなくならないのです。「知性」(INTELLIGENCE)を定型処理することはできないのです。だから「知性」を磨けば、20年先のロボット社会においても、あなたは優位に立つ人間の一人となっておられることでしょう。そのためにも、いつでも「音楽」が用意されているのです。

(和田高幸)

←「まつむし通信Topへ」

▲Top