まつむし音楽堂通信

 2018年 秋号

 

●名月が雲に隠れ、台風の進路や地震情報、と例年より気象予報に過敏になっているのか「秋の夜長」を楽しむにはちょっと騒々しい昨今となりました。早いものでこの季節、来年の暦・カレンダーが書店や文具店の店先を飾りますが、来る五月には元号が改まります。気象異変、公共インフラの老朽化、超高齢化、人口減少、天然ガスや原子力などエネルギー問題・・と多くの不安材料をかかえてのスタートですが、旧世代から新世代へと、刷新が成功することを希望します。

●20世紀末の話題をさらった「ノストラダムスの大予言」に代表されるように、終末論には、いつの時代にも人々の関心を掻き立てる要素が含まれているのでしょう。小松左京さんが書いたSF小説「日本沈没」もその一つに数えられるかもしれません。1972年頃だったと思いますが、大ベストセラーとなり、その影響からか豪州に不動産を買った政治家も少なからずいました。

●最近の気象で目立つのは大雨です。旧約聖書の「ノアの方舟」には、洪水で水没する地表の生き物を救済、保存する物語が描かれています。浸水、洪水、液状化、土砂崩れ・・水害の行き着くところは「沈没」でしょう。火山灰で覆われた日本列島が、降雨と海面上昇により水没しても不思議ではないのです。

●では、どうすればよいのか。平常心を保って傍観、達観できる人はともかく、困難に直面して慌てない人はいないでしょう。SOS信号を発して、あるいは「ヘルプ・ミー」と叫んで助けを求める、というのが常道ではないでしょうか。人間は弱いもの。だからこそ「助け合い」があるのでしょう。災害時には、日頃のおつきあいが大切なんですね―。

(和田高幸)

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