まつむし音楽堂通信

 2019年 初秋号

 

●「熱中症」の夏を過ぎて、暦のうえでは秋のお彼岸も間近。異常気象が常態化したとはいえ、気温の上昇、水害、停電などのニュースが続いています。台風の発生時期、進路も、このところかなり変化してきました。「想定外」の異変への対応にも、国力に限界があることを感じさせます。その限界は、果たして近いのでしょうか。人類(個人の集合体)は破滅して、近未来に終末を迎えるのでしょうか。

●ラジオを聴いていると、災害に備えて「避難勧告」「避難指示」が頻繁に放送されますが、「避難所」は必ずしも安全で快適とはいえないようです。暑さや水不足、停電などで、病気の人たちはなおさらたいへんです。プライバシーが守れないという声も少なくありません。では、どうすればいいのでしょう。

●安全な場所に住み、十分な水を確保し、停電しても保存できる食料を備蓄しなければなりません。調理や暖房に燃料、通信手段や人の助けも不可欠です。といっても、個人では、かんたんに実現できませんよね。とにかく自助努力しろ、ということでしょうか。

●最近では、「避難所」の先にあるのが「疎開」ということも語られはじめました。安全で食糧もたっぷり、助け合いもあたりまえ・・という場所を、日頃から確保しておけばいいのですが。むかしの日本では、そんな場所がたくさんあったような気がします。

●さて現代。東アジアはたいへんです。半島は南北統一に向けて動き、その後ろには中国、ロシアが睨みをきかせています。米軍の駐留を前提とする日米同盟も微妙なバランスですが、香港のデモにみるように、政治情勢によっては、日本は多くの難民の入国を想定しなければなりません。いや日本が、すでにそういった難民の「疎開先」として想定されている可能性もあるのですが―。

(和田高幸)

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