まつむし音楽堂通信

 2019年 秋号

 

●「人恋(こ)うる秋」となりました。これからは同窓会や、すこし早いけど忘年会など、会合が増える時期ではないでしょうか。卒業して学校から離れ、退職して会社を離れた人たちが、時間をトリップして大いに語り合ったり、また人生の来し方を振り返る絶好の機会となるでしょう。

●入学と卒業、就職と退職、結婚と離婚、誕生と死・・人生には二面性があるようです。そんな人生の原動力となっているのは「時間」にほかなりません。予測できる時間があれば、予測できない時間もありますが、時間に「追われ」ていると感じている人が多いのも現実です。

●「星と花、
  精神と衣よ、
  愛と苦悩と、
  時間(とき)と永遠と―」
(ラーゲルクヴィスト著「バラバ」より。暗記したまま)

●この時期、来年の「暦」やカレンダーが書店の店頭に並びます。一年が経つのは早いものです。私事ですが、加齢とともに「曜日」の観念が薄れてきました。つまり「毎日が日曜日」(一説に「サンデー毎日」)というわけですが、休日の少ない勤め人には「禁句」となりましょう。

●ならば、人生を形づくる原動力(エネルギー)となる「時間」を超越すれば、人は自由になれるのでしょうか。「玉手箱」の悲劇もあろうかと思いますが、疑問は次々と生まれてきます。「人生とは何か」という問いかけ。これに答えるべく「来し方」を振り返る、これも「秋」の過ごし方の一つといえるかもしれません。

(和田高幸)

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