[まつむし音楽堂]通信

 2013年秋号

 

●1964年の東京オリンピックからおよそ半世紀、2020年のオリンピック開催地が東京に決まりました。「夢の超特急」東海道新幹線や名神高速道路が開通してから、もう50年ほどもたったということですね。はやいものです。2020年には、東京―大阪を結ぶ「リニア新幹線」が開通していることでしょう。

●「新幹線」は、西の経済都市、大阪から「東京都」へ一極集中を加速しましたが、すでに大阪の主要な企業は本社機能が東京に移っています。当初は単身赴任した社員たちも、今では家族ともども東京に定住する傾向が強くなっています。「ヒト」とはつまり「ソフトウエア」ですから、所得はもちろん、頭脳や技術、さらには文化もいっしょに流出するわけです。
●いくら東京に対抗しても、大阪はこれからも凋落する運命にあるのでしょうか。科学技術ばかりでなく、スポ-ツや芸能、文化でも優れた人材を多く輩出してきた大阪の風土が痩せこけるとどうなるか―。

●「ものの始まりみな堺」と謳歌したかつての「自治都市」堺や、活気あふれる良き時代「大(だい)大阪」をもたらしたものも、船場をはじめとする旦那衆の経済力でした。もちろん芸能文化と日常的に接し、支援していたのもそういった旦那衆ですから、大阪だけでなく、京阪神、関西が一丸となって東京に対抗しようと考える人も少なくないのです。経済活動は、やはり人口の増減や流動性に依存しているのですから。

●さて大阪が経済力をとりもどし、もう一度「文化」を復興するチャンスはあるのでしょうか。関東大震災(1923)により大阪、阪神圏へ移住した人々は決して少なくなかったのですが、東北大震災により大阪へ移住した被災者はそれほど多くなかったようです。東京に住めなくなったとき、大阪に行きたい、と思うかどうか。これが文化復興の決め手かもしれませんね。

●関東大地震や富士山の噴火を想定するのも大事ですが、大阪では、近未来に必ずやってくる東南海地震や大阪湾の津波への備えも必要です。建物の補強や食糧の備蓄もさることながら、万が一の場合に役立つのが、総合的な判断能力や精神力、体力です。このような能力を身につけるには、呼吸器や内蔵器官、自律神経や感覚器官を鍛える楽器演奏が有効です。まつむし音楽堂は音楽教室を併設しています。お問合せください。

(和田高幸)

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