《未体験塾》 UFOと接近遭遇、至近距離での撮影に成功!
実体験が語る「UFOと宇宙人の真実」
語り手:和田高幸(神秘のUFO写真集「未知の彼方へ」編著者)
No.10 「宇宙からの訪問者」~隕石
地球には水や大気、鉱物などさまざまな物質がいっぱい、あらゆる元素がつまっている。そのなかには地球外からやってきた物質も少なくない。隕石もそのひとつ。星のかけらともいえる隕石は、地球外の惑星で生成され、衝突などにより宇宙空間へ放出され、やがて地球の引力圏に取り込まれて落下したものだ。しかし大半の隕石は大気圏突入時に燃え尽きてしまうらしい。「宇宙からの訪問者」隕石はさまざまな情報を地球にもたらしてくれるが、刀剣の原料として鉄隕石が利用された事例もある。アフリカのナミビアに落下した「ギベオン」と呼ばれる鉄隕石は、切断するとその表面には「ウイッドマンステッテン」模様が見られる。無重力の宇宙空間で形成された結晶模様は、高熱の鉄合金が小惑星帯から分離され宇宙空間を彷徨(さまよ)いながら冷却されたことを物語っている。ときたま発掘される「ギベオン」の落下時期は不明だが、周辺が砂漠になっていることから推測すれば、そのインパクトの大きさは想像を絶するものである。
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すこし飛躍するが、地球に対して同じ面を向けながら周回する「月」は、かつて地球の一部であったという説がある。太平洋上に消えた「ムー大陸」と関連があるかどうかはともかく、語呂合わせとして「ムー」と「ムーン」は発音が似ている。地球が他の天体と接触したときに、その一部が放出されて小惑星となる可能性がないとはいえないだろう。地球に落下する隕石のほとんどが、火星と木星のあいだにある小惑星体から飛来しているといわれているが、これらの小惑星は、おそらく複数の天体が衝突して生じたものにちがいない。ロシアの科学者イマヌエル・ヴェリコフスキーの著書「衝突する宇宙」(1974法政大学出版局刊)によると、彗星の尾中に含まれる灼熱のガスなど、弾力に富んだ天体あるいはその大気が、互いに接触することも少なくなかったようである。
「鳴石(なるいし)」と呼ばれる岩石系隕石は、ガラス質を含む隕石が生駒山上に落下して周辺の小石を取り込んだためか、「鈴」のような音が出る。「鳴石」は隕石落下地点の地名ともなったが、長期間にわたって相当数の隕石が散在していたためだろう。
神話のふるさと出雲地方は、古くから「たたら製鉄」で知られている。むかしこの地方では「砂鉄」が豊富に産出され、これを使って刀剣などの鉄製品を製造したのが起こりである。出雲神話には素戔嗚尊(すさのをのみこと)が「大蛇(おろち)」退治に用いた剣(叢雲の剣)があらわれるが、ゲルマン神話にも同様の場面が存在する。英雄ジークフリートが、大蛇を退治するのに用いたのは「ノートン」と呼ばれる剣で、ワーグナーの楽劇「ジークフリート」では鍛冶屋の場面も再現される。「ノートン」「ノートン」(鉈のことか)と歌われる合唱の響きが印象的だ。
製鉄時に要する高温(約1000℃)は、「炭」を燃やすことで得られた。炭焼きの技術は、製鉄(鍛冶)技術と同時進行した可能性があるが、原料となる木がなければ製鉄もままならない。備長炭で知られる和歌山県(紀伊)は「木の国」といわれるので、製鉄が行われた可能性がつよい。傭兵を抱える雑賀(さいか)衆が、鉄砲を武器としたのも鉄製品が流通した例証ともなるだろう。製鉄に使う「火」は、もちろん信仰の対象ともなったが、「ゾロアスター教」(拝火教)の発祥とも関連があろう。拝火教は、仏教渡来以前にすでに日本に定着しており、東大寺二月堂の「お水取り」が小浜の神宮寺の火祭り「お水送り」と一体になっていることからも容易に推察される。現在の伊賀・甲賀地方がその中心であったという説もあるが、そこには油日岳、油日神社などが現存し、火の神様アフラ・マツダを彷彿とさせる。なお、ゾロアスターは「ツァラトゥストラ」「ザラストロ」と同神であり、ニーチェの小説やモーツァルトの歌劇「魔笛」にも登場するから西洋ではおなじみの神様だ。
鉄の需要は武具に留まらない。農具の生産にも鉄が必要だが、兵糧の生産のため、武者は農業も支配したにちがいない。つまり鉄を支配する者が頂点にいたということで、そのことが神話には象徴的に示されている。
ところで、鉄の生産の起源を遡ると、はるか西方のヒッタイトに至る。ヒッタイトは日本では「ハタ」と読みが音転しているが、九州に始まった「八幡(やはた)製鉄所」(現新日鉄住金)へのルートが読み取れるのだ。当時のヒッタイトには「牛神」信仰があり、牡牛の角を鍬のようにして農地を耕していたようである。